愛のモヤモヤ相談室9月 後編【自分のために生きるって?わからない】

誰にとっても、〝母の存在〟は、大切ですよね。優しくて、いつも笑顔で、自分を励ましてくれる…、そんな頼れる大切な存在。

でももし、それが正反対だったとしたら…?いつもムシャクシャした気持ちをぶつけられ、怖い顔で怒鳴りつけられていたら、自分って、いったいどんな性格になっていたんでしょうか。

それは、今から変えられるものでしょうか。

美輪明宏さんが、自身の豊富な人生経験から相談者の悩みに寄り添う、NHKEテレ・美輪明宏の愛のモヤモヤ相談室。9月の放送回は、9月29日(金)でした。今回の二人目の相談者は、マナさんです。


愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない マナさんの悩み

高瀬アナが「続いてのモヤモヤにまいります。マナさんです。よろしくお願いします。」と、マナさんを紹介したのですが、

マナさんは「私は…、今まで…」と話し始めたあと、感極まったように言葉に詰まってしまいました。

美輪さんが、「ずいぶん、敏感な方ね。」と微笑み、促します。

4人家族でずっと暮らしてきたというマナさん。実際はマナさんが幼い時から、母と4歳下の妹と3人で暮らしているような形だったといいます。

父はアフリカ系の外国人で、日本とあまり合わなかったのか、またアフリカに仕事もあり(母国アフリカが貧しいということで、自分の村に学校を建てたりされていたのだそう)

そんなお父さんをマナさんは尊敬していて、また同じく日本で一人で働いて育ててくれたお母さんのことも尊敬しているのだそうです。

ただ、マナさんが幼い頃はあまり手をかけてもらえず、母は鬱もあり、家庭内は荒れ、その母の怒りやむしゃくしゃした気持ちの矛先が、長女であるマナさんに向ったといいます。

マナさんは、その母の顔色をうかがい、機嫌を取ることでいっぱいいっぱいだったそうです。

そういう母と、家庭に関わってこなかった父の下で育っていくうちに、マナさんは人に頼まれたことを、すべてイエスで受け取って、「私がやるよ」と言って請け負う性格に育ったと言います。

そんなマナさんは、どういうことが自分を優先するということなのか?わからない、と悩みを打ち明けます。

マナさんは自分を優先しているつもりなのですが、第三者から「もっと、自分のために生きていいんだよ。」と言われたり、「本音で話して欲しい」と言われてしまうのだとか。

そんなマナさんに、美輪さんは「自分のために生きているじゃありませんか。自分のために生きてきたからこそ、こうやってここにいるんでしょう?何とかしようと思ったから、ここへわざわざいらしたわけでしょう?」と諭します。

マナさんは鼻をすすりながら沈黙し、そのまま時間が流れました。

(マナさん)「家でも…、人の顔色をうかがって、機嫌をとって…、学校でも…、何を裏で言われているかも分からず、面と向かって肌の色や髪の毛のことを揶揄されたり…、」と、ここで美輪さんが、

(美輪さん)「それは、あなただけじゃないですよね。日本人同士でも、何かを見つけて悪口を言いたい、性根のくさったようなコンプレックスの塊がいっぱいいるんですよ。

私なんかどれだけいじめられて来たかわかりませんよ。

私が気が強いから、逆にその人の欠点を見つけて、言い散らしてやりましたよ。負けちゃいられませんからね。」と言います。それに対して、

(マナさん)「私は、容姿のこととか言われるのが、すごく嫌な思いをしてきたので、人に同じ言葉を使って戦うっていうことが選べなくて、ずっと耐えてきたんですけれども…」

鼻をすすりながら再度沈黙したマナさんに、美輪さんは、「それで?何をどうしたいのですか?」と尋ねます。



愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない ついに本音が出たマナさん

ここで、ようやくマナさんの本音が飛び出します。

(マナさん)「私は自分を優先して何かをしたいと思ったときに、その裏で…、言い方が合ってるかわかりませんが…、割を食う方がいるのを身をもって感じていて、

私の悪いところで…、何かを人にあげないと、人が離れて行く気がしてしまって、なので、恋人に対しても、恋人のその無償の愛を疑ってかかってしまっている自分もいて…」

(美輪さん)「なんでもマイナス思考にしちゃうのね。そういう馬鹿なことはおやめなさいよ。だってあなた、恋人がいるっておっしゃったでしょ?今。恋人が一人いれば十分ですよ。

誰からも愛されてない人って、男でも女でもいますよ。

その点あなたはね、選んでくれてね、愛してくれる人がいるっていうことは、素晴らしいことよ。

その愛があれば千万人の敵がいたって、怖くないじゃありませんか。

とにかくおうちのためだとか、いろんな人のためにね、色々気を遣って生きてきたんだから(恋人が)それを大事にしてくれるからそばにいるんでしょ。素敵じゃありませんか。」

(マナさん)鼻をすすりながら、頷く。「はい。」

(美輪さん)「だから、自分がね、本当は幸せな人間なんだっていうことが、よく分かっていただけたでしょ。うらやましいような人生ねって思う人がいっぱいいると思うわよ。」

(マナさん)「ありがとうございます。」

(美輪さん)「これから、もっと幸せになるように。」

(マナさん)「はい。」

愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない まずやりたいことをやってみる

ここで美輪さんは、文化活動をしてみては?とマナさんに促します。

マナさんは、中高生のときは、吹奏楽部でバスクラリネットという楽器を担当していたのだそう。本当は今も、続けたいなと思っているのですが、母がいい顔をしなかったのだそうです。

(美輪さん)「(お母さんは)ヤキモチ焼いて、邪魔するわけね?そんなの屁みたいなモンですよ。

楽器をやったりね、音楽やってたわけでしょ?それやめちゃってるって事は、お母さんのためでしょ?」

(マナさん)「はい。」

(美輪さん)「自分のためにやりたかったんだから、やりなさいよ。それを。」

(マナさん)「はい。」

(美輪さん)「やってる間は幸せでしょ?」

(マナさん)「はい……。」

(美輪さん)「そしたら、自分のために生きるっていうことがね、どんなことなのか、分かるでしょ?」

(マナさん)「はい。」

(美輪さん)「今度からね、お母さんの顔色うかがったり、言うこと聞くんじゃありませんよ。私の言うこと聞いていればよろしい。」

(マナさん)「はい…。」

(美輪さん)「どうです?やりますか?」

(マナさん)「やります。」

(美輪さん)「絶対、約束よ。」

(マナさん)「はい。」

~ あなたは幸せなんだから ~

(美輪さん)「はい、いつまでも泣いてない。」

(マナさん)「はい。ほんとに…、人に、〝幸せじゃないの〟って言っていただけたことが、とても幸せに感じます。」

(美輪さん)「今まで、何万人っていう、本当に不幸せな人をたくさん見てきましたからね、その中であなたは、ほんとに自分で自分の幸せに気がつかない贅沢な人でね…。

ハンサムですか?その人は?」

(マナさん)「…出会った頃は…。」

(美輪さん)「ハッハハハ…、向こうもそう言ってますよ。じゃあね、これからもっと幸せになるように。」

(マナさん)「はい。」

(美輪さん)「頑張ってね。」

(マナさん)「はい、ありがとうございました。」

 

~ あしたを生きる あなたへ ~

人に云えない悩みや苦しみを抱えた人もしっかり生きている。
同じ人間。あなたにもできる。



愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない マナさんの悩み 感想

いやいゃ、美輪さんまたまたすごかったですねぇ~!!いやー、こんな深い悩みまで、きっちり真正面から受け止めて解決のヒントをくださる!!超❗貴重な神回でした❗❗

マナさんも、言葉にしずらいところを、泣きながら必死に考えて、伝えようとしているところ、こちらも観ていて泣けました。

20代で、美輪さんに会えるかどうかで、人生が全く変わってしまう可能性があるんじゃないか!??と思いました!!

~今回の美輪さんの素晴らしかったところ~

いつものごとく仕分けが鮮やかでした!!ほんとにいつも思うことですが、重要なことは何なのか、瞬時に嗅ぎ分けて(ちょっと言葉が下品ですみません💦)提示してくれるすごさ!!尊敬せずにはいられません!!

マナさんにとって、最重要なこと。3つの指摘。

1.今現在、あなたを愛してくれる人がいるじゃないの。

2.今も、自分のために生きているじゃないの。
(今現在、自分のために生きられている部分もあるじゃないの。)

3.今度からね、お母さんの顔色うかがったり、言うこと聞くんじゃありませんよ。私の言うこと聞いていればよろしい。

(1)マナさんは、人の顔色をうかがってしまう気質があるようなので、信頼できる他者を特定する必要があるのかもしれませんね。

それは、今、マナさんを愛してくれる恋人であり(一人いれば十分ですよ!と指摘。)、また豊富な人生経験から助言できる自分(美輪さん)ということなんじゃないかと思います。

(2)マナさんは、自分のために生きることがどういうことがわからない、と言っていますが、整理してみると、自分のために生きられている部分もあることが明らかになりました。
・自分をなんとかしようと美輪さんに会いに行く、という行動をちゃんとしていること。
・バスクラリネットをやりたかったと思い起こせたこと。
・幸せを感じられる自分を自覚したこと。

(3)また、美輪さんはマナさんがお母さんの顔色をうかがい、言うことを聞こう思うと、色んなことが矛盾することを察知し、助言します。

バッサリと「(おかあさんの)言うこと聞くんじゃありませんよ。私の言うこと聞いていればよろしい。」と、言い切ってしまうことで、矛盾を排除し、マナさんを解放したのではないかと思います。

若いときに、こんな風に美輪さんにめぐり逢えて、こんな言葉をもらえて、ほんとに!うらやましいと思う人がいっぱいいると思いますよ!マナさん!!

~マナさんの素晴らしかったところ~

美輪さんに促されて、モヤモヤを、ひとつひとつ言語化していったところです。一番の本音の部分を表現されたのは感動的でした。

(マナさん)「私は自分を優先して何かをしたいと思ったときに、その裏で…、言い方が合ってるかわかりませんが…、割を食う方がいるのを身をもって感じていて、

私の悪いところで…、何かを人にあげないと、人が離れて行く気がしてしまって、なので、恋人に対しても、恋人のその無償の愛を疑ってかかってしまっている自分もいて…」

言語化されたことで、それをパッパッと美輪さんが、まるでマグロ職人!?みたいに、一番おいしいところ、まぁまぁなところ、捨てていいところ、というように瞬時に目の前でさばいて、仕分けてくれたように感じました!

~一番おいしいところ~ ※私の勝手な美輪さんのオーラの解釈です
・(もし、割を食う人がいたとしても)自分を優先して他人を後回しにしてよろしい。

・他人の期待を叶えるために生きてはいけない。自分の自分への期待を大切に、自分のやりたいことを優先してよろしい。

・人を(恋人を)信頼してよろしい。(恋人に)愛されてよろしい。

・魂を人に差し出してはいけない。何かを人にあげなくても、そのままのあなたに価値がある。ありのままのあなたで存在してよろしい。

・やりたいことをやって、幸せな時間をちゃんと味わってよろしい。
・努力して、いい人間関係を築いて幸せになりなさい。なってよろしい。

~ まぁまぁおいしいところは… ~
・文化活動、バスクラリネット。やりたかったんだからやりなさい。
・やってる間は幸せでしょ?
・ハンサムですか?その人は?

~捨てていいところ~ ※ここも私の勝手な解釈です。
・喜んでくれない母(他者)のふるまいを気にする自分。
・見捨てられる不安に怯える自分。
・無償の愛を疑う自分。

まるで、大っきなマグロを瞬時にさばく、マグロ職人❗のような美輪さんの、内容の濃い、本当にすごい神回でした❗❗



まとめ

愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない マナさんの悩み 幼い頃はあまり手をかけてもらえず、母の顔色をうかがい、機嫌を取ることでいっぱいいっぱいだった。

愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない ついに本音が出たマナさん 何かを人にあげないと、人が離れて行く気がしてしまう。恋人に対しても、その無償の愛を疑ってかかってしまう自分がいる。

愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない まずやりたいことをやってみる バスクラリネット、まず自分のために、したかったことをやってみる。

愛のモヤモヤ相談室9月 自分のために生きるって?わからない マナさんの悩み 感想 すごく内容の濃い、超❗貴重な神回でした❗❗

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