愛のモヤモヤ相談室9月 前編 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さんのお悩み

美輪さんに、様々なお悩みをぶつけ、そのモヤモヤをスッキリと晴らすヒントをもらう、NHKEテレ「美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室」。さて、今回はどんなモヤモヤを抱えた二人の相談だったのでしょうか。一人目の相談者は、太郎さんです。


愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さんのお悩み

最近、太郎さんの81歳のお母さんは、認知症になってしまったそうです。幸いまだ症状は軽度で、日常生活は一人でできているのだそう。

ただ、これから認知症が進んでいくことを考えると、自分の仕事をしながら、母のサポートをするには、同居した方がいいのでは…と悩んでいるそうです。

父親は、すでに亡くなっていて、独り暮らしのお母さん。妻と三人の子どもと近所に暮らす太郎さんは、同居することを考えていますが、お母さんの性格にある不安があるのだと言います。

(太郎さん)「うちの母親は、 思ったこと何でもズケズケ言う性格ですので…

(美輪さん)「(笑)ただ言うんじゃなくて、〝ズケズケ〟おっしゃるのね。たとえば?」

(太郎さん)「例えば…、そうですね。 (母に)あんた収入いくらなの?とか言われて、(自分が)いくらだって言うと、私の年金とアルバイトしてる方が多いわね、とか。そういう風なことを…でも悪気がないのが…、僕はまぁ親子ですので…。ただそれ他人に言うとちょっとケンカにはなると…。

(美輪さん)「よそ様でも…?」

(太郎さん)「はい、例えば太ってる人がいれば、『あなた太ってるわね』っていうのを、バンと言ってしまう…と。

(美輪さん)「そりゃいけない…、トラブルの元ですねぇ。(笑)」

(太郎さん)「はい。」

(美輪さん)「奥様は、なんておっしゃる…?」

(太郎さん)「えーっと、うちの妻は、まぁ一緒に住めないと。 」

最初結婚した当初は一緒に住んでいた太郎さんのお母さん。お母さんも妻も太郎さんも仕事をしながら家事や子育てを分担する忙しい毎日…。

次第に喧嘩が増え、別居に至ったのだそう。それから母と妻の間には20年ほど交流がないままなんだとか。

現在は、週に一回ほど太郎さんが母の買い物一緒に行ったり、家の掃除を手伝いに行ったりしているそうですが、用事が終わって帰る頃に、お母さんを見ると、ものすごく寂しそうな感じなんだそうです。

口に出して「寂しい」とも言うし、することがなくて身を持て余すというようなことも言われるのだとか。

(美輪さん)「今、日本全国にそういう人が多いですからね。流行りと言えば流行なんですよ。孤独で、なすすべもなくて、ただ生きてるだけ…」

(太郎さん)「そうです。まさしくその通りでして。仕事…ずっと一筋できた母ですので、あんまり趣味がないんですよね。」

(美輪さん)「・・・・・・・。」
一通り、話を聞いた美輪さんは、太郎さんにこう尋ねます。



愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さんへのアドバイス

(美輪さん)「あなたもなさったらいかが?将棋や囲碁や軽いスポーツから大変なスポーツまであるし、あなたと共通でなにかやれるようなこと、それの中でね、やれそうなものっていうの…、お母様に選んでもらう、そういう可能性はありますか?」

(太郎さん)「はい。そういうのはあります。あると思います。はい。」

(美輪さん)「まずそれからですね。」

(太郎さん)「はい、わかりました。」

(高瀬アナ)「 美輪さんおっしゃったように、いきなり同居っていうことじゃなくても、一緒にこう…何かを楽しむ、前向きにその時間を過ごすことができるように、親子でできるようなものがないか、ということですね?」

(美輪さん)「そうするとね、時間は、あっという間に過ぎていくんですよ。昔の貴族がね、じーっとこう…拝みに来る人を待って、ずーっと座りっぱなしの人生でしょ。

だから、蹴鞠(けまり)だとかね、乗馬だとか囲碁 将棋みたいなもの…いろいろ編み出したんですよ。

退屈…時間つぶしに…。今でも通じてるんですよね。で、今もう…とにかく全部機械化されてね、デジタルなものっていうのはね、精神的におかしくするんですよね。

だから人々がワーっとこう…その反動で飛びついたのが、大谷翔平。

あれこそ野球だけども、手作りでしょ? だからああいうものっていうのは人間のね、心とか精神的なものと… 、それには必要なものなんですよね。

だからそういったところに、お母様案内したらどうでしょう ?」

(高瀬アナ)「確認ですが…、美輪さんも…あの…大谷翔平選手の試合…、ご覧になるんですか?」

(美輪さん)「えぇ、観ますよ。」

(高瀬アナ)「おぉっ…!そうですか。」

(美輪さん)「勝たないと不機嫌ですけどね。お母様と一緒に、どうでしょう?」

(太郎さん)「はい、そうですね!母も野球は好きですので。」

(美輪さん)「あぁ!よかった。」

(太郎さん)「はい。」

(美輪さん)「それにね…、3人のお子様、時々参加なさったらいいと思います。」

(太郎さん)「はぁ~(感心する)。非常に楽しくなると思います!そうすると…、はい。」

(美輪さん)「頑張ってください。」

(太郎さん)「はい!ありがとうございます。」

~ 一緒に楽しむ まずそれからですね ~



愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さん 感想

さっすが❗❗美輪さん❗❗ 同居を迷う太郎さんに、まずは、「楽しむ時間の共有から」とは、さすが過ぎるアドバイスですね❗❗

私は、このケースだったら、介護認定をまず受けて、週1~2でデイサービスに通うとか…、超月並みな発想しか出てきませんが、美輪さんは、瞬時にこのご家族のニーズを把握して、最良のアイデアを提案されているんですよね。

1.仕事ばっかりで趣味のない、楽しみの少ない感じのお母さん。

2.そのお母さんを、理解してサポートしようとしている息子さん。

3.その息子さんの妻は、近所に住んでいるが、20年来、交流がない(ど…、どんだけ不仲なのか…??想像に難くありませんね…💧)

4.子どもたち3人の協力を得ることは可能。

一番肝心な所を、いつもガッツリと押さえているんですよね!美輪さんのアドバイスって。ほんとに神様なんじゃないか!?とさえ思います。

もうひとつ美輪さんのすごいところは、ビシッと本質を突くこと。

〝とにかく全部機械化されたデジタルなものっていうのは、精神的に人間をおかしくする。その反動で、みんなが求めるのは、大谷翔平。〟

人間、心、精神的なもの。ワクワク…と心が躍るもの。そういうものに、お母様を案内したらどうか…?

確かに!認知症の人との対話って、感情と感情で通じ合うってことありますよね!(←元ケアマネ、まさこ)ワクワク…❗とかは、ほんとに伝わる気がします。

反対にデジタルは、認知症の人には、ほとんど響かない感じがします。

私は、ちょうど2020年の春に介護の世界を離れたのですが、新型コロナが流行し、第一回目の緊急事態宣言が出されたその頃、介護施設では、スマホやタブレットでのオンライン面会が始まろうとしていました。

うつろな目で、画面に関心を示さない認知症の利用者さん。そのとなりで、「○○さんよ!」と、一生懸命声かけしている介護スタッフ。その様子が今でも頭に浮んできます。

確かに〝機械化されたデジタルなもの〟を、人間は認識しにくいのでしょうね。

人間って、やっぱり五感を働かせて生きているんですよね。

時々、太郎さんやお孫さんたちが家にやって来て、お母さんと一緒にみんなで大谷翔平をテレビ観戦する。そうしてワーワーと盛り上がったら、お母さん、めっちゃ嬉しいですよね♫

そしてそんなお母さんの、嬉しそうな様子を見たら、太郎さんも三人のお孫さんたちもまた嬉しくなっちゃいますよね。

素敵なプラスのスパイラルに入っていけますね🎵

いつもながら、サラリと楽しいこと、嬉しいこと、自らやりたい♪継続したい!と思えるようなところへ軌道を描いて、

そこへしっかりと悩める方たちを誘導して来られる美輪さんは、本当にすごい❗❗ほんとに神様みたいな人だなぁと思います。



まとめ

愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さんのお悩み 一緒に住むには、思ったこと何でもズケズケ言う母の性格が不安

愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さんへのアドバイス 一緒に楽しむ。まずはそれから。

愛のモヤモヤ相談室9月 80代母が認知症に 同居を迷う太郎さん 感想
瞬時にこのご家族のニーズを把握して、最良のアイデアを提案する美輪さんは、ホントにすごい❗

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