NHKEテレ 美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室は、毎月最終金曜、夜10時~の月イチ放送です。この番組は、人生経験豊富な美輪明宏さんに、様々なお悩みをぶつけ、スッキリと晴らすヒントをもらいます。今回も、さまざまなモヤモヤを抱えたお二人の相談です。 前編の相談者はマミーさんです。
愛のモヤモヤ相談室3月 前編【もっとスマートに子離れするはずだったのに】
前編の相談者は、マミーさんです。
~ マミーさんのお悩みは、子離れについてです。~
・高校生の一人娘が、地方の大学を希望している。
・自立させるため自主性を重んじる学校に入れ、親離れができるように育ててきた。
・しかし、娘が自分の元から巣立つ日が近づくにつれ、子離れできていない自分に気づき、モヤモヤしている。
マミーさんは、娘さんとの日々が楽しすぎて、もし娘さんの進学先について行かずに、一人で残ったとき、自分はあれほどまでに楽しめるのかな、と思ってしまうそうです。
~ マミーさんの考える選択肢3つ+1 ~
1.残って 、一人で暮らす。
2.実家の母(1人なので)そっちに行って一緒に暮らす。
3.単身赴任の夫のところへ行く。
+1.娘について一緒に行く。(この希望が大きくなってしまった。)
マミーさんは、娘には自立するような教育というのを目指して、今までやってきたのだそう。
でも、いざ自立となったら、マミーさんの方が動揺しているのだとか。
もっとスマートに子離れするはずだったのに、このままだと、思っていた自分じゃなくなる気さえしてしまう。(娘さんのことが)可愛くて可愛くてしょうがない、といいます。
とはいえ、マミーさんは、娘さんが小さい頃からベッタリと子育てしてきたのではないとのこと。
娘さんが小学生の頃は、仕事が大好きで、マミーさんのお母さんや、ご主人が子育てを手伝い、
マミーさんが仕事をしやすいようにしてもらっていたのだとか。自分がなりたい自分、をやってきたのだそう。
でもある時、急にマミーさん中で優先順位が崩れ、なんか娘のために私は教育をしなきゃいけない、というふうに目覚めたといいます。
マミーさんは、娘さんの中学受験を期に早期退職して、それまでの仕事中心の生活から、子育て中心の生活に切り替え、娘さんの教育にのめり込んでいったそうです。
一方、単身赴任中のご主人は、帰って来たときに「つまらない、つまらない。」と言っているのだとか。
娘さんとマミーさんが、大学の話などでワーっと盛り上がってる時には、ご主人は会話に入って来られないそうです。
娘さんは元々穏やかな性格なようで、「(進学先に)お母さんも一緒に行こうかな」と言っても、笑ってるだけなのだそう。
さて、ほぼ質問の終わった美輪さんは、マミーさんに問いかけます。
(美輪さん)「何が間違っているかって、おわかり?」
(マミーさん)「全然わからないんです。何が間違っちゃったのか。」
この後の、美輪さんのひと言がすごかった!!
愛のモヤモヤ相談室3月 前編 美輪さんの提言
(美輪さん)「娘さんをね、愛してるんじゃなくてね、恋してるんですよ。」
(マミーさん)「こ…恋ですか!?」
(高瀬アナ)(黙って口をむすんでホ~!!すごい切り口!!と驚きのリアクション。何度か大きく頷く)
(美輪さん)「そう。恋と愛の違いってお判り?」
(マミーさん)「恋は…恋? 恋してる時の方が、すごくテンションが上がって、楽しいことしか見えてなかったです。」
(美輪さん)「恋は自分本位。全てが自分本位なの。愛が相手本位。 娘さんに恋してんのね。娘さんは笑ってるだけでしょ。」
(マミーさん)「はい。」
(娘さんは)「迷惑だと言えない、と思いません?」
(マミーさん)「そういうことを面と向かっていうタイプではないので…」
(美輪さん)「こっちで察してやんなきゃ、ダメでしょ。」
(マミーさん)「そうですね、はい。少しちょっと娘の気持ちに寄り添うか、あと娘にちょっと、本心どう思ってるのっていうふうに…」
(美輪さん)「それはダメ。」
(マミーさん)「それダメですか?はい。」
(美輪さん)「優しい娘さんは言いませんよ。」
(マミーさん)「ああ。」
(美輪さん)「独り立ちして、はい、お母さんと離れて暮らして平気(って)言われたらどう思います?嫌でしょ?それが娘さんにわかってるの。」
(マミーさん)「あぁ~。」
(美輪さん)「だから笑ってるだけで済ませて。」
(マミーさん)「はい。」
美輪さんから、娘さんよりも、ご主人と話し合いをしては?と促されたマミーさん。
考えてみたら、娘さんが大学に入った後のことを、ご主人とは全く話していなかったことに気づきます。
(美輪さん)「そういうところがいけないの。」
(マミーさん)「あぁ~、そうですね。」
ご主人のことが大好きで、この人と一緒にいたいと思って結婚したことを思い出したマミーさん。
今もそのままの情熱が続いているか、との美輪さんの質問に「そこが問題で…。」と答え、美輪さんに「ふふふ、出たぁ。」と笑われてしまいます。
(美輪さん)「あなた、一人で育ててね、娘さんと2人きりで(って)そういう観点が、ずーっとあるのね。」
(マミーさん)「あぁ~、独り占めしちゃってたってこと?」
(美輪さん)「そういうこと。だからご主人、寂しかったの。」
(マミーさん)「あぁ~、あー、そうかも…そうかもしれないです。なんか、なんか入って来ないなー?と思ってたんですけど…。」
(美輪さん)「愛は与えるのものっていうのが、一番でしょ。」
(マミーさん)「はい。」
(美輪さん)「だからご主人にも、愛を与えてください。娘さんにも。」
(マミーさん)「はい。」
(高瀬アナ)「親子にもあるんですね。その…、娘に恋してしまう…という、新しい展開を見た気がしました。」
(美輪さん)「もうそろそろね。 あなた(娘)も、自由になりたいでしょうし、私の羽の中から飛び立ちなさい。」(と)ね?、「寂しいことも苦しいことも色んなことも体験して。」(と)
(マミーさん)「はい…、はい。」
(美輪さん)「で、それでね、(娘さんに対して)何かあったらね、いつでも言っていらっしゃい。」(と)
(マミーさん)「そうですね。 自分が…、じゃなくて、娘がそういうふうに暮らしていけるのを望む…遠くで望むっていうのを楽しめるように、ちょっと考え方を変えていきたいと思います。はい。」
愛のモヤモヤ相談室3月 前編 感想
マミーさん、なんだか可愛くて、微笑ましいですよね。
くったくがないというか、天真爛漫というか。
自由な感情表現が盛りだくさんで、観ていて思わず笑ってしまいました。
きっと娘さんや、単身赴任されているご主人も、マミーさんのことを〝かわいいなぁ〟と思っているのではないかと思いました。
私が素敵だなぁと思った、マミーさんの自由な感情表現は次の3つです。
1.【娘との日々が楽し過ぎてしまって…】
子育てを心から楽しめた感が満載ですよね。もはや〝子育て〟という感覚さえなかったのかもしれませんね。美輪さんがズバッと指摘した通り〝恋していた〟のでしょうね。
2.【私の方がちょっと動揺してしまって…】
〝動揺している〟と、自分でしっかり言葉にして、他者に伝えているところがすごいなーと思いました。
普通は、自分が〝動揺している〟なんて認めたくないですから、○○(他者)が○○○な(自分の意に添わない)ことするんですとか、言うんです、とか言うものですよね。
けれどもマミーさんは、「(自分が)動揺してしまって…」と、しっかり言葉にしています。
自分の不安を、言語化して他者に伝えているんですね。
これはすごいなぁと思いました。
3.【なんか、このままだと私、思ってた自分じゃなくなると思いまして、もぅなんか(娘のことが)可愛くて可愛くてしょうがなくって…】
この表現は、本当にストレートでしたよね。なんて可愛いの!マミーさん!!と、思わず声に出して言ってしまいました。
子離れしないといけない、とわかっているのにできないんです!!(娘のことが)可愛くて可愛くてしょうがないんですっ!!と、いう思いが、直球で伝わってきました。
その後、美輪さんにいくつかの質問をされたマミーさん。
(美輪さん)「何が間違っているかっておわかり?」と、尋ねられます。
美輪さんの、この後のひと言、すごかったですよね。
「娘さんをね、愛してるんじゃなくてね、恋してるんですよ。」
との指摘。
これには、思わずうなってしまいました。💦
この世の中で、この回答をできる人って、美輪さん以外にあり得なくないですか??うーん、すごすぎる。美輪さん。
言われたマミーさんも、「こ…恋ですか!?」と、面食らった感じでしたよね。
しかし!!〝それは恋だ〟と、定義づけたら、後の説明が、単純明快で、ものすごくわかりやすかったですよね。
恋は、自分本位。全てが自分本位。
愛が、相手本位。
いやぁ~、これを美輪さんのオーラと共に、間近で言われたら、ズシンと来るでしょうね~。
そして続けて美輪さんに、娘さんはこんな気持ちなのでは、と諭されたマミーさん。
今度は視点を変えることができました。
娘さん目線になってみると、また色々なことが見えてきましたね。
くったくのない、天真爛漫なマミーさん。
嬉しい、楽しい、大好き!!という感情表現が自由で素敵ですよね。
その愛いっぱいの感覚が、周囲にひろがっていくように感じました。
まとめ
愛のモヤモヤ相談室3月 前編【もっとスマートに子離れするはずだったのに】 娘が自分の元から巣立つ日が近づくにつれ、子離れできていない自分に気づき、モヤモヤしている。
愛のモヤモヤ相談室3月 前編 美輪さんの提言 「娘さんをね、愛してるんじゃなくてね、恋してるんですよ。」「恋は自分本位、愛が相手本位。」「ご主人にも、愛を与えてください。娘さんにも。」
愛のモヤモヤ相談室3月 前編 感想 マミーさんの、くったくのない自由な感情表現が素敵。
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